タロット占いの歴史
タロットの起源
ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット
現代人がタロットといえばイメージするのはウェイト版タロットですが、これができるのは1900年代に入ってからでした。
現存する最古のタロットは、ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロットです。
これは15世紀後半にミラノ公のフランチェスコ・スフォルツァなどが、画家に描かせたものと、そこから派生して様々な人達が描いたタロットカード達、この時代に描かれた15種類のタロットを総称して、ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロットと呼ばれています。
スフォルツァがどうしてこういう絵柄を選んだのか、詳しいことは、情報が残っていないので何もわかりません。
また塔・悪魔がありません。
最初からなかったのか、それとも途中から無くしちゃったのかは不明です。
全部で15種類ほどありますが、完全に全てのカードが残っているデッキはありません。
どのデッキも、だいたいどれかが欠けてしまっています。
スフォルツァ版タロット「ピアポント・モルガン・ベルガモ版」の世界
スフォルツァ版タロット「キャリー・イエール版」の世界
なお、この頃「力」のカードは、「剛毅」という名前でした。
また僕らが知っている大アルカナ以外に、スフォルツァ版では「希望」「信仰」「慈善」という大アルカナがありました。
コートカードは、「王」「女王」「騎士」「女騎士」「ペイジ」「メイド」という6種類でした。
謎のカード、マルセイユ版タロット
このスフォルツァ版タロットが、時代の変遷とともに、いつの間にか「マルセイユ版タロット」に変わり、世の中に浸透していました。
どういう経緯で、マルセイユ版タロットが完成したのかは、まったくわかっていません。
いつの頃からこれが世の中に広まっていたのか、誰もわかりません。
しかし少なくとも1700年頃には、このカードはすでに世の中に一定数出回っていました。
マルセイユ版タロットでは…
剛毅が力になりました。
「力」は11番で、「正義」が8番になっており、我々が知っているタロットとは順番が逆になっていました。
魔術師は、奇術師でした。
(奇術師とは手品師のことです)
恋人たちのカードは、二人の女性が男性を奪い合っている構図でした。
小アルカナは剣・杖・盃・金貨などの記号が描かれているだけでした。
コートカードはみんなも知ってる「キング・クイーン・ナイト・ペイジ」の四種類でした。
この構成になったのは、この頃からです。
中世のタロット
〜1700年代くらいまで
この頃のタロットは、ゲームや賭博に使われる遊び道具の一つでした。
簡単にできる賭博といえば、「サイコロ・トランプ・タロット」みたいな感じに認知されている存在でした。
1700年代のタロット
1781年クールドジェブランがタロットエジプト起源説を発表
このころ、クール・ド・ジェブランさんという歴史言語学者の方が、たまたま知り合いの家で、人生で初めてマルセイユ版タロットを見て、「これはエジプト起源の古代神官の叡智を詰め込んだものだ!」と直感し、そのことを著書の「原始世界」にて発表しました。
これだけだとちょっと何言ってるかわかんないかもしれませんが、日本でも何年か前に「学校の怪談ブーム」みたいなのが起きましたが、あれと同じノリ?で、旧約聖書でモーセがエジプトでイスラエル人を脱出させたみたいな話がある関係で、基本的に西洋文化圏ではとりあえず「エジプト!ファラオ!ハムナプトラ!」ってゆったらすごく神秘的な雰囲気がでるので、ものが売れやすくなる土壌があったようです。
ジェブランさんも、なんかその流れで連想しちゃったみたいです。
なにはともあれ、この発表を機に、初めてタロットは「オカルト」と結びつきました。
1783年 エテイヤの出現
この流れで、歴史上初のタロット占い師「エテイヤ(本名ジャン・バプティスト・アリエット)」が出現します。
1783年、エテイヤは「タロットと呼ばれるカードによって楽しむ方法」という本を出版し、ここからタロット占いが流行していきます。
エテイヤは、もともとトランプ占いをやっていた人だったようで、そちらのやり方である「全てのカードにはキーワードがある」「それがどのポジションに出たかで吉凶を占う」「正位置と逆位置で意味が変わる」というやり方を、そのままタロットにも応用し、タロット占いのやり方を自作しました。
ただし、エテイヤは「オリジナルのタロットはエジプトで黄金の板に刻まれていたのだ」など、かなりトンデモな説をとなえていることが多く、現代では彼の著書は「信憑性がない」と判断されていることが多いようです。
1789年 エテイヤタロットの完成。
その後エテイヤは、エジプト神秘主義を採り入れ、順番を入れ替えたり現在の小アルカナに22~77の番号を振ったりするなど独自の修正を施したエテイヤタロットを製作しました。
エテイヤ曰く、「これこそが本物のタロット」だそうです。
このタロットはパリで人気になり、一時的にタロット=エテイヤタロットのことと認知されるまでになりました。
エテイヤタロットの特徴
エジプト神秘主義を取り入れて、大アルカナはかなり大胆に改変されました。
1 LE CHAOS(混沌)<サブタイトル>カオス(LE CHAOS
2 LA LUMIERE(光明)<サブタイトル>ヒラムの煉瓦積み(LA MAÇONNERIE D’HIRAM)
3 LES PLANTES(根づいていくもの)<サブタイトル>モプスの位階制(L’ORDRE DES MOPSES
4 LE CIEL(天空)<サブタイトル>沐浴場(LA PISCINE)
5 VOYAGE(旅)<サブタイトル>福音書(L’ÉVANGILE)
6 LES ASTRES(昼と夜)<サブタイトル>天上(LE CIEL)
7 LES OISEAUX(肉食鳥)<サブタイトル>蛇(LE SERPENT)
8 REPOS(休息)<サブタイトル>イヴ(EVE)
9 LA JUSTICE(正義)<サブタイトル>ソロモン(SOLOMON)
10 LA TEMPERANCE(節制)<サブタイトル>黙示録の天使(L’ANGE DE L’APOCALYPSE)
11 LA FORCE(力=剛毅)<サブタイトル>ダビデ(DAVID)
12 LA PRUDENCE(賢明)<サブタイトル>モーセ(MOÏSE)
13 LE GRAND PRÊTRE(偉大な司祭)<サブタイトル>偉大な司祭(LE GRAND PRÊTRE)
14 LE DIABLE(悪魔)<サブタイトル>抗えない力(LE FORCE MAJEURE)
15 LE MAGICIEN(呪術師)<サブタイトル>アロン(AARON)
16 LE JUGEMENT DERNIER(最後の審判)<サブタイトル>最後の審判(LE JUGEMENT DERNIER)
17 LA MORT(死)<サブタイトル>死(LA MORT)
18 LE CAPUCIN(修道士)<サブタイトル>ユダ(JUDAS)
19 LE TEMPLE FOUDROYE(雷に打たれた寺院)<サブタイトル>カピトリヌスの神殿(LE CAPITOLE)
20 LA ROUE DE FORTUNE(運命の輪)<サブタイトル>ネブカドネザル(NABUCHODONOSOR)
21 LE DESPOTE AFRICAIN(アフリカの暴君)<サブタイトル>レハブアム(ROBOAM)
78 LA FOLIE(狂気)<サブタイトル>錬金術師(L’ALCHIMISTE)
アフリカの暴君?😊笑
(これは戦車のことだそうです。笑)
コートカードはみんなも知ってる「ペイジ・ナイト・クイーン・キング」の四種類でした。
吊るされた男のカードは、「賢明」に名を変えました。
これについてエテイヤは、「本来このカードは賢明だったんだよ!だけど過去の無知なカード職人が間違えて描いたものがそのまま伝わっちゃって、その結果が吊るされた男なんだよ!そう考えれば枢要徳の四つが全てそろうし、つじつまがあうでしょ!」と説明しています。(根拠は不明)
枢要徳とは、「国家が円滑にまわるためには、賢明・勇気・節制と、これらのもとに立脚した正義が重要なんやで!」というヨーロッパでは有名な哲学のことで、確かにタロットにはもともと「力(勇気)・節制・正義」だけはあったのですが、なぜか賢明だけがない状態でした。
この不自然な状態に対するエテイヤなりの回答が、この結果だったようです。
1800年代のタロット
1800年代前半
その後、いろんな魔術師さんや研究家が、
「タロットはカバラと結びついてるんじゃ」
「いやいや占星術と類似性が、、、」
とか色んな説を唱えていきました。
それぞれが、それぞれの立場で、「これこそが真のタロット占いだ!」というものを主張していました。
またこのころ、エテイヤタロットはすでに流行から消えており、みんなが探求していたのは基本的なマルセイユ版タロットでした。
1800年代後半 ゴールデンドーンが独自のタロットを構築
この頃、アメリカの魔術結社ゴールデンドーン(黄金の夜明け団)が、より魔術的なタロットを構築していました。
彼らはエテイヤタロットではなく、原点のマルセイユタロット をもとに、大アルカナ22枚をヘブライ文字22文字に対応させたり、カバラにおけるセフィロトの樹の22小径に関連づけたり、正逆位置を採用せず「エレメンタルの相性を見る」という新しい占い方を作り出したり、カードの意味を新しく再定義したりし、オリジナルのタロット占術を構築していました。
しかし彼らのタロット占術は門外不出で、入団して昇進した者にのみ伝えられるまさに「秘儀」として扱われていました。
ゴールデンドーンタロットの特徴。
マルセイユタロットに比べて、力と正義の順番が入れ替わっている。
力が8番、正義が11番になっていました。
コートカードの「キング」は、名前こそキングなのですが、サブタイトルで「●●の戦車の王子」と名付けられており、でもデザインは明らかに年配の王様って感じで、王なのか王子なのかよくわからない感じになりました。
審判のカードは「原初火の精霊」といったサブタイトルがつき、「復活」というよりは、「猿が火を得て人に変わったときのような大いなる変化」というニュアンスになりました。
世界のカードは、「宇宙」になりました。
コートカードの順番が、「ペイジ・ナイト・クイーン・キング」ではなく、「プリンセス・キング・クイーン・ナイト」になりました。
全てのカードにエレメンタルの概念が付与されました。
ワンドは火、ソードは風、カップは水、ペンタクルは土、大アルカナは守護星座によって。
正逆位置は採用せず、代わりにエレメンタルの相性をみる占い方になりました。
- 同じエレメンタルか、あるいは火と風・水と土の組み合わせは、良品位なので意味を強める。
- 火と水、火と土、風と水、風と土などの組み合わせは、悪品位なのでそれぞれの意味を弱める。
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1900年代のタロット
1909年アレイスタークロウリーが「777の書」を発表
1901年、メンバー間の対立やスキャンダルによって「黄金の夜明け団」が崩壊します。
その後1909年、元団員の「魔術師」アレイスター・クロウリーが自著『777の書』にてその秘儀を公開しました。
これによって、それまではごく限られた人間しか知ることのできなかったゴールデンドーンのタロット占いが、一般人でも知ることができるようになりました。
1909年 アーサー・エドワード・ウェイトが「ウェイト版タロット」とその解説書「タロット図解」を発表
それに呼応するように、同じく1909年、同じく元団員のアーサーエドワードウェイトが、オリジナルタロットカードのウェイト版タロットを発売しました
同時に、その解説書である「タロット図解」という本を発表します。
(この本は現代では再販され、「タロット公式テキストブックス」に名前を変えています)
それまでのマルセイユ版タロットは、小アルカナは無機質な記号のようなデザインだったのですが、ウェイト版タロットは小アルカナも全てがちゃんと寓話的な絵になり、その絵の美しさから、とても人気が出ました。
現代では、「タロットといえばこのウェイト版タロットのこと」を示すくらいに、このデッキは普及しました。
なお、ウェイトは「一般人向けに書いた解説書」と「黄金の夜明け団の仲間向けに書いた文書」で違うことを書いています。
例えば、前者では逆位置が採用されていますが、後者では逆位置が採用されていません。
この矛盾はなぜか?
考えられる可能性の一つは、昔のこういった組織では、団内の教義を守るために一般人向けには嘘の情報を流すのがよくある手法だったので、これもそういう嘘の一つだった可能性があります。
実際、ウェイトは「学者としての自分」と、「占いコラムニストとしての自分」を完全に切り分けて考えていたらしく、「誰を対象とした文章なのか?」によって、しばしば矛盾した内容を書いていたことが知られています。
学者としてのウェイトは、古代エジプトなどにタロットの起源を求める説を明確に否定し、慎重な立場をとっている。
しかし、学者ウェイトにはもうひとつの顔があった。
それは俗っぽい占い本を書く、今でいう占いライターとしての顔である。
一八八九年には、グラント・オリエントという筆名で『タロット、占い、そしてオカルト神託の手引き』という本を書き、その改訂版(一九〇九年、つまりウェイト゠スミス版が出たのと同じ年)では、ちゃっかりエジプト起源とするタロット=トートの書説を展開しているのである。
この本は、おみくじのような雑占いの寄せ集めで、花占いなども入っており、雑誌などで占いを書く僕からすると、とても親しみやすいものではある。
by「タロットの秘密」より
なお、ウェイトは身内に向けてはしばしば
「本来のタロットは占いに使うものではない」
とも発言していたそうです。
ウェイト版タロットの特徴
力のカードは、「力、あるいは剛毅」という名称になりました。マルセイユ版での名称と、ゴールデンドーンでの名称の間をとった感じ?
力が8番、正義が11番のところはゴールデンドーンと同じです。
恋人たちのカードは、エデンの園のようなイメージの図柄になりました。
ただし、よく見ると、女性の背後に蛇がいるので、ここはゴールデンドーンのセンスが残されています。
マルセイユ版の恋人たちの要素は無くなりました。
審判の絵柄は、マルセイユ版のころのイメージに戻りました。
ただし解説書では、キーワードに「位置の変化」「更新」「結果」が記されており、ゴールデンドーンの解釈の名残が残っています。
世界のカードも、名称は「宇宙」から世界に戻り、絵柄もマルセイユ版のころのイメージに戻りました。
世界のキーワードは、ゴールデンドーンの「完成」ではなく、「約束された成功」「報酬」「旅」「出国」「飛行」「場所の移動」など、世界旅行を連想させるようなものになりました。(なぜかは不明)
愚者のカード解説は、魔術師の前でもなければ、世界のあとでもなく、審判と世界の間に掲載されました。
つまり順番として、「20審判・0愚者・21世界」といった流れで解説されています。
これに関してタロット図解では、「これを(愚者を)最初や22番目におくことはシンボリズムの観点から見ても正しく無い」「本書のおけるカードの配列はパピュのタロット 占いに従った」と解説しています。
(パピュは1800年代にタロットとヘブライ文字22文字を対応させた人物)
コートカードでは、プリンセスは廃止され、マルセイユ版の頃の「ペイジ・ナイト・クイーン・キング」に戻りました。
ケルト十字スプレッドが提案されました。
エレメンタルの概念は廃止され、正逆位置の概念が採用されました。
1944年「トートの書、刊行」
1944年には、前述のアレイスター・クロウリーが「トートの書」という本を発表しました。
このなかでゴールデンドーンのタロット術式を原型に、そこに自身の「セレマ神秘主義思想」を取り入れた独自の「タロット占い」をデザインし、解説しました。
これがのちの「トートタロット」です。
ただ、トートタロットが実際にカード化されるのはこの25年後です。
この時点ではまだ、トートの書の最後のほうに「おまけの挿絵」としてのっているだけでした。
なお、トートタロットはゴールデンドーンタロットを基本としているため、「正逆位置」という概念は存在せず、エレメンタルの相性を見る手法がとられていました。
1969年「トートタロット発売」
トートの書のおまけについていたトートタロットが、ここでついにカード化されます。
トートタロットの特徴
絵柄は全面的に一新されました。
節制は「技」になりました。
審判は「永劫」になりました。
正義は「調整」になりました。
力は「欲望」になりました。
調整が8版、欲望が11番で、そこはマルセイユ版タロットの順番に戻りました。
悪魔のカードは「堕落」ではなく、「現世利益の追求」というポジティブな意味に変わりました。
ゴールデンドーンに従い、世界は宇宙になりました。
コートカードは、キングとペイジが廃止され、「プリンス・プリンセス・クイーン・ナイト」という4枚になりました。
ゴールデンドーンのキングは「王様だか王子様だかよくわかんない感じ」だったのですが、明確に王子様になったようです。
ゴールデンドーンのやり方に習い、正逆位置を採用せず、エレメンタルの相性を見るやり方になりました。
1970年イーデングレイ「タロット完全ガイド」を刊行。
ここでのちに「タロット占い師の母」と呼ばれたイーデン・グレイさんが登場します。
彼女は1970年に「タロットの完全ガイド」という本を書きました。
これまでのタロットは、難しい魔術用語や宗教用語を知らないと理解できない「ちょっと難しいもの」として認知されていたんですが、イーデンの「タロット完全ガイド」は
・タロットにはこんな歴史があるんだよー✨
・各カードにはこんな意味があるよー✨
・正位置と逆位置でこんな風に意味が変わるよー✨
・占うときはこういう風にカードを並べるんだよー✨
というシンプルな内容でまとまっており、これによって一気に「一般」にもタロットが普及しました。
イーデングレイの書く「タロットの歴史」は、やや空想的にまとめられている部分も多く、決して信ぴょう性は高くなかったようです。
しかし彼女の著書はとにかく「わかりやすい」という点においては、これまでにない画期的な本でした。
そのため現代で販売されているタロット解説書の多くも、だいたいこの構成を真似た形になりました。
その後、イーデングレイは啓示タロット・皆伝タロット・自在タロットなどの続編を出版し、大成功しました。
なお、イーデングレイはエテイヤやウェイトのやり方を踏襲し「正逆位置」を採用しました。
しかし細かく読むと、コートカードのペイジを、ペイジとして紹介していつつも解説文の中では「彼は●●の王女である」と書いていたり、キングを王子と解説していたり、あきらかに「ゴールデンドーンの世界観」を採用している部分があります。
ざっくりまとめると…
- 占い方や、スプレッドにおいては、ウェイトやエテイヤのやり方を採用し
- カード解釈においてはゴールデンドーンの世界観を採用し
といった感じで、この二つを足して2で割ったようなやり方を提案しています。
絵から連想するやり方の発生
こうしてイーデングレイによってタロット占いは一般にも馴染み深くなったわけですが、その流れで近年ではこれまでの枠にとらわれない新しい占い方が生まれています。
その中の1つが、「絵からイメージする」というものです。
これは電話占いなどの界隈でよく使用されている手法です。
このやり方では、正逆位置を採用しません。
あるいは、したとしてもそれほど重視しません。
カードの意味すら、厳密な定義はありません。
スプレッドもとくにありません。
自分がイメージしやすい枚数を引くだけです。
ただただ、出た絵からイメージを膨らませる。
それだけのやり方です😊
発祥の経緯は不明です。
特に誰かが宣言した記録はありません。
おそらくは、市井の中でなんとなく自然発生的に生まれたのだと思われる。
ただ、小アルカナに「絵柄」がついたのはウェイト版タロット以後なので、少なくとも1909年以後だと考えられます。
電話占いなどのサービスは1分単位で課金されるため、あまり時間がかかる占術が好まれず、霊感や透視のような「相談者の問い」に対して即答できるようなセッションが好まれる傾向があります。
もしかしたらこれは、こういう市場ニーズに応えた結果として、生まれた進化系なのかもしれません。
このやり方はキーワードを知らなくてもすぐに占える手法なので、「今タロットのことを何も知らない人」でも、今日からさっそくタロット占いができるようになるので、その点でとても便利な手法です。
以上でタロットの歴史解説は終了です☺️
タロットの歴史を踏まえた上で、わかること
ここまでを踏まえてわかることをいくつか解説しておきます。
正逆位置が全てではない。
タロット初心者さんの多くは、「タロット=正逆位置で意味を変えて読むもの」と捉えている人が多いのですが、決してそんなことはないです。
黄金の夜明け団では正逆位置ではなく「エレメンタル相性を読む方法」が採用されていますし、トートタロットでも同じやり方が提案されています。
現代の電話占い界隈の占い師は、絵からイメージを広げているだけなので、正位置も逆位置もありません。
こんなふうに、タロットの全体像をしっかりみたとき、正逆位置を採用するやり方は全体の一部でしかなく、それが全てではないのです😊
タロットに正しいキーワードは存在しない
初心者さんの多くは、よく「タロットは本によって書いてあることが違うからどれが正しいのかわからない😢」と悩む人が多いのですが、そもそもそこに正解なんてありませんので、そんなことに悩まないでください笑
歴史を見ればわかる通り、タロットというのは初めから占いのために作られた道具ではなく、まず初めに謎のカードが存在していて、それをもとに色んな人が「これはこういう意味なんじゃないか?」と提案し合っている段階のものです。
この世界に存在するのは、「Aさんはこのカードをこういう意味なのだと解釈した」「Bさんはこのカードはこういう意味があると自説を唱えた」というたくさんの事例だけであり、客観的・普遍的な正しいキーワードなんてものは、人類の歴史上まだ一度も成立していません。
だからそんなものを求めないでください笑
この世の全ての本は、正しいキーワードを教えてくれているのではなく、「その本の著者は、このカードをこう解釈した」という話を語っているだけです。
だから、「どれが正しいキーワードなの?😢」なんて悩まないでください。
むしろ、各カードはどういう意味なのかを自分の頭で考えることこそが、タロットの醍醐味なんだととらえるようにしましょう😊
タロットに正しい占い方も存在しない
初心者さんの中には、「まず最初にカードを浄化すべきですか?」とか、「シャッフルのときはどのやり方を選べばいいですか?」とか、「こういう相談にはどのスプレッドを使うべきですか?」といった感じで、やり方についていちいち細かく「これでいいですか?」と確認しようとする人が多いですが、これも先ほどと同じで普遍的な正解など存在しないので、好きにやればいいです。
実際に「プロのタロット占い」を受けてみればわかりますが、人それぞれやり方はまったく違います。
「浄化する人、しない人」
「カードに念を込める人、込めない人」
「カードは自分でシャッフルすべきと考える人、相談者にシャッフルしてもらうべきと考える人」
どちらのタイプもいくらでもいます。
スプレッドに関しても
「ワンオラクルしかしない人」
「ケルト十字が全ての基本だと主張する人」
「オリジナルスプレッドしか使わない人」
などなど、みんなそれぞれ、てんでバラバラです。
正位置逆位置を採用する人もいれば、しない人もいます。
キーワードから連想する人もいれば、絵から連想する人もいます。
あるいは、どういうやり方でやるかはその日の気分で決める人もいます。
プロ占い師の間ですら、統一されたやり方など存在しないのです。
それでも彼らは占い師として成立しています。
お客様は普通にそのセッションにお金を支払っています。
そういう意味でも、正しいタロット占いなど存在しないのです。
というわけで、これからタロット占いができるようになりたい人は、まず大前提として、「この世界のどこかに正しいタロット占いのやり方がある」という前提を捨ててください。
そんなものはありません。
だから、そんなものに縛られず、全部をあなたの好きにやってください。笑
考え方として、「どのやり方が正しいのか」ではなく、「あなたはどうやりたいのか?」を起点に考えるようにしてください。
そうやって、自分が好きなことを集めていくことで、いつしか「あなたのリーディングスタイル」が定まっていくのです😊
本を鵜呑みにしない
本に書いてあることを鵜呑みにしないでください。
多くの人は本のことを、
「本を出すことができるって、きっとすごく勉強した専門家の先生に違いない」
「だからそういう人が間違っていることを書いているわけがない」
みたいな感覚でとらえがちですが、そんなことはありません。
この世の中には、嘘を堂々と書いている本や、しっかり勉強していないため間違った知識を堂々と語ってしまっている本なんていくらでもあります。
そんなことは、本をたくさん読めばわかります。
これは本に限ったことではありません。
例えば、我々が毎日見ているテレビや新聞のニュース。
そういうところでも、嘘はありふれています。
何年か前に「少年犯罪が増えてる」「キレる17才」というワードが流行ったことがありましたが、あのころだって実際は少年犯罪は減っていました。
少なくともピーク時の25%以下まで減っていました。
平成に入ってから微増していましたが、それは犯罪そのものが増えたのではなく、警察側の「取り締まり基準」が変わったため、統計データ上の数値だけが上昇しているだけで、実態はむしろ減っていました。
それから学校の教科書では「世界四大文明」というワードがありますが、当時すでに20以上の文明がすでにあったことはもう何年も前から判明しています。
昔の学校では「うさぎ跳びで根性がつく」と考えられていましたが、現代では「筋肉を痛めるだけで意味がない」とされています。
昔は「歯磨きは食後にすべし」と全ての医者がいっていましたが、いつの頃からか「食前のほうがいい」に変わりました。その数年後、「やっぱり食後のほうがいい」に変わりました。
こんな風に、この世界では、
テレビも、ニュースも、
学校の先生も、
歯医者さんも、
どれだけその道のプロであろう人たちであろうと、
「間違った情報」を発してしまうことはよくあることです。
するとそんな中、タロット占いというただでさえオカルトに属していてあいまいなテーマの本なんて、まちがいだらけの本があふれていてもそんなことは当然のことなんです。
というわけで、全ての本は「参考情報の1つにすぎない」と考え、あまり鵜呑みにせず、色んな本を読んで、その中で自分なりにしっくりくるものを集め続けてください。
そういうのの積み重ねの先に、あなたなりのタロット占いが完成していきます😊
以上で、タロット占いの歴史は終了です☺️
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