タロットカードの意味・大アルカナ

タロット5【法王】のキーワード、意味、解釈ポイント、リーディング例

法皇の絵柄

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「法皇」の近年主流の解釈

基本的なキーワード

ポジティブな意味

伝統、慣習、道徳、模範、助言

ネガティブな意味

守旧的、迷信的、堅苦しい、窮屈、退屈、息苦しい、余計なお世話

恋愛での読み方

ポジティブな意味で読むなら

・時間をかけて愛を育てる
・ゆっくりと少しずつ愛を深めていく
・純心な恋(キスをするのに半年もかけるようなイメージ)
・奥手だけど安心できる
・見合い結婚
・周囲に認められた関係
・形式や礼儀作法を大切にする。

ネガティブな意味で読むなら

・奥手すぎる
・地味でつまらない
・刺激がなくストレスを感じる
・政略的な結婚
・相手の将来性や社会的ステータスを気にする
・年長者から反対される
・形式にとらわれている。

仕事での読み方

ポジティブな意味で読むなら

・古い歴史があるもの
・短期的利益よりも、長期的利益。
・伝統芸能などに関する仕事
・役所など公的機関での仕事
・宗教関連の仕事
・上司などに認められる
・有力者から支援を受ける

ネガティブな意味で読むなら

・伝統にあぐらをかいている
・過去の遺産で食いつないでいるだけ
・古臭く、意味のないルール
・頭が固い
・なんのためにそのルールがあるのか考えていない
・迷信を本気で信じている。
・大きな会社に入らないとダメだと思い込んでる
・大企業なら安定してると本気で信じている
・就職して1年で辞めるのは悪いことだと本気で信じてる
・一定の年齢までに結婚しないと恥ずかしいことだと本気で信じてる
・貯金が大事だと本気で信じてる
・大企業病
・意思決定に時間がかかり進まない
・各方面に配慮を入れるだけで時間が過ぎていく
・形式にとらわれ実利を見失っている

人生全般の解釈例

ポジティブな意味で読むなら

・頼りになるアドバイザー
・年長者から良いアドバイスをもらう
・宗教心を持つ
・信仰が示唆を与える

ネガティブな意味で読むなら

・余計なお世話
・干渉してくる
・不自由
・窮屈
・形式にとらわれる
・迷信に惑わされる

タロット法皇、歴史上のレジェンドの解釈

黄金の夜明け団の解釈

・サブタイトル
Magus oh the Eternal Gods
(永遠の神の賢者)

・対応
エレメント→地
天体→牡牛座
ヘブライ文字→Vav ヴァウ(釘)

神聖なる叡知。顕現。解説。教示。《魔術〉、〈預言者》、《恋人たち〉の意味と似ている点もあるが、やや違う。隠秘学の知識。
by黄金の夜明け魔術全書

アーサーEウェイトの解釈

正位置
→結婚。同盟。拘束。別の意味では、恵みとゆうとく。直観。質問者が頼りとする人物。

逆位置
→社会。良い理解。調和。過剰な親切。弱さ。
byタロット図解

イーデングレイの解釈

正位置
→(慣習や規則などの)遵守が必要である。社会的認知、特に自分自信のグループに認知されることの大切さ。社会的慣習への隷属。宗教の対外的な表現形式への好み。

逆位置
→型破り、伝統的でない。迷信深くならなうように注意すること。発明者のカードでもあり、慣習に従わない若者のカードでもある。
by自在タロット

法皇のコラム

法皇がなぜ「道徳」「伝統」「模範」などを示すのか?

法皇というのは、現代でもローマ法皇っていますよね!
あれのことです!
あの人の仕事は、「●●に悩んでる?イエス様はこう言っていますよ👼✨」みたいな感じのありがたいお言葉をみんなに伝えて、道徳的な教えを伝えていくことです!
だからこのカードのキーワードは、「伝統」とか「道徳」とか「模範」みたいなのが設定されているわけですね!

これらのキーワードからイメージを広げいく場合、恋愛なら「素朴で純粋な恋ができる」「婚前交渉なしの恋」「両親などに認められている恋」などの読み方が考えられるかもしれません。
仕事だったら「役所などの公的機関で働く」「伝統芸能などの組織に所属する」「模範的な振る舞いをすることで認められる」などが考えられます!

なお伝統や慣習は、時に「ただの迷信」をそのまま盲目的に信仰することや、現代社会においては最適ではない古い道徳観念を押し付けるような形になることがあります。
例えば「会社に入って一年もしないで退職するのは悪いこと」みたいなことを言う人がいまだにいますが、別に1年で辞めたってそれで会社が潰れるわけじゃないし、何も大した迷惑をかけていると言えません。
1年で辞めたからって人生が終わるわけでもありません。
これって冷静に考えれば考えるほど、何も問題がないことを大問題であるかのように認識しており、なんだかカルト宗教のようです。

こんなふうに、常識はときとして「無意味な窮屈さ」を作ることがあります。
だから、このカードをネガティブに解釈するときは、こういう「古臭い、迷信のようなもの」に縛られ、窮屈な状態になっているといった意味合いになります。

恋愛だったら
「両親などが過干渉で二人の交際に反対してる」
「世間体などを気にしすぎて二人の関係が悪くなる」
などの解釈が!

仕事だったら
「形式にとらわれすぎて実用性を見失ってる」
「伝統にしがみついて成長していない」
「保守的」
「変化を恐れすぎ」
「大きな会社に入らないとダメだと思い込んでる」
「社会の常識?という謎理論に振り回されて自分で自分の可能性をつぶしている」
みたいな解釈ができますね♪

法皇がなぜ「助言」を意味するのか?

黄金の夜明け団では、このカードは「牡牛座」に属するとしました!
牡牛座の特徴は以下の通り!

  • 誠実
  • 倫理的かつ、道徳的なものを好む
  • きちんと整えられた生活を好む
  • 寛大で寛容
  • のんびりしており鈍重だが、その分ねばり強い

これらも上記の法王のイメージと合っている属性ですね。
つまり、このカードが占いで出たとき、相談者は自己の内面にある「牡牛座」が発揮され、まるで法皇のように、誰かに導きや示唆を与えることができるのだと考えられます。

それは、どんなにダメな子でも見捨てずに、粘り強く道を示していくイメージです!
例えば恋愛運で占っている場合は、あなたがパートナーに対して「寛大な態度」で接することが、相手の心に感銘を与えるなんて解釈が考えられます。
あるいは、突然何か「すごく心に響くいいこと」を言えるようになって、それがパートナーを啓蒙し、なんらかの導きを与えることができるとか!
仕事運だったらまずは「後輩にめっちゃいいアドバイスできる!」みたいな解釈が考えられます。
あるいは「カウンセラーを目指してる人」とかの未来にこれが出たんだったら、カリスマ法皇みたいなカウンセラーになれるのかもしれません!
その相談に合いそうなものを選んでください😊

常識とか道徳って何なの?

そもそも常識とか道徳って何でしょうか?
その答えを持ち合わせていないと、このカードは読みづらいでしょう。

というわけで、そこを説明しますね!

最初に結論を言うと、道徳とは、私たち人間の「所属したい欲求」を満たすためにあるものです。

私たち人間は、意識的にせよ無意識的にせよ、いつでも「どこかに所属していたい」という欲求を持っています。
なぜなら、人は1人では生きれない生物だからです。

ではどうすれば集団に所属することができるでしょうか。
それは、その集団において共有されている「ルール」に従うことです。

例えば、まず大きな観点では、多くの人が「犯罪」を行わないのは、「社会」に所属していたいからです。
もし犯罪を行ってしまえば、隔離され、牢に繋がれ、社会に所属していくことは困難になります。

もう少し身近な例では、「友人や恋人に対して、嫌がることはしない」というのも、これは「その相手と自分」という二人だけの社会に、これからも所属していたいからです。
こんな風に、その集団において「望ましい」とされている概念に従えば、人はその集団の中に居場所を得ることができます。
すると人は、「所属していたい欲求」を満たすことができます。
常識・道徳・慣習には、そういった機能があるのです。

道徳や常識の中には、「誰かが誰かを利用するための嘘」が混じっている

しかしこういった概念は時に「誰かが誰かを利用するために作った嘘の常識」を産むことがあります。

例えば、ブラック企業。
こういうところでは、労働者に「無給で」「長時間働いてもらいたい」と考えています。

そのため、「より長時間の労働をしてもらうのに都合がいい道徳」を提示します。

例えば、「仕事はお金だけじゃない」「仕事はやりがいを得るためにやるものだ」「本気でやりたい仕事なら、朝から晩まで働いても苦痛ではないはずだし、むしろもっと働かせてほしいと願うはずだ」などのことです。

これらが「守るべき道徳」なのであれば、労働者は率先して「無給で」「長時間の労働」をしてくれます。
だから、経営者にとって都合がいいです。

ただ、普通の人はこんなことを言われたら「バカ言ってんじゃないよ」と思うでしょう。
しかし稀に、そう思わず、素直に従ってしまう人達がいます。
彼らはなぜ、こんな常識を受け入れてしまうのか。

その答えは簡単
自分に自信がないのです。
彼らは「自分なんかを受け入れてくれる場所はここしかないはずだ」という思い込みを抱いています。
だから、そんな彼らが『どこかに所属していたい欲求』を満たすためには、このブラック企業における常識や道徳を受け入れるしかありません。
だから彼らは、その道徳を受け入れ、やりがいこそが大事だと信じ、休みたいと思うほうがどうかしているのだと信じます。
だから、彼らは退職しないのです。

現代の日本社会では、「就職して3年以内に退職するのは社会人として恥ずかしいことだ」という常識があります。
しかし冷静に考えてみれば、これはおかしな話です。
別に仕事をやめたくらいのことが、何がそんなにいけないんでしょうか。
誰かが就職して3年以内に仕事を辞めたら、東京駅が爆発したりするんでしょうか。
しませんよね。
だったらこれって、何をそんな小さなことで大騒ぎしているんだという感じがします。

実はこれ、1900年代後半から生まれた「作られた常識」です。
実はこの頃から、政府が全国で「離職率データ」という統計データをとるようになりました。
そこで各企業は「この会社は離職率が高い」「つまり労働条件が悪い会社なんじゃないか」と噂されることを恐れるようになりました。
ちょうどその頃から、誰からともなく、なんとなく世の中全体で「3年以内に辞めるのは恥ずかしいこと」という言葉が言われるようになりました。
きっとどこかの企業が、「こう言っておけばみんなが3年は我慢してくれる」「そうすれば3年以内の離職率が高い企業としてデータ集計されづらくなるはずだ」とでも思ったのでしょう。

ちなみに起業家やフリーランスの集団に入ると、これとはまったく逆の常識が共有されていることが多いです。
こういった人たちは「合わない仕事を何年も続けるのは時間の無駄」「少しでも嫌だと思ったらすぐにやめて、もっと本当にやりたいことに時間を使ったほうがいい」「自分は何歳まで生きるつもりなんだ?」「人生は短いというのに、1日でも無駄にできる時間なんてあるわけないだろ?」という常識が共有されていることが多いです。

こんなふうに、道徳や常識は、時に「誰かが誰かを利用するために」作られることがあります。

世の中には、嘘と虚構が満ち溢れている。

こういう例は探せば他にいくらでも見つけることができます。

例えば「結婚して初めて一人前」「●●歳までに結婚しないのは恥ずかしい」というった言葉を語る人は多いです。
しかし社会学的に見れば現代は晩婚化が進んでいますのでそれほどおかしなことではないですし、また歴史を見れば結婚しなかった偉人などいくらでもいます。

しかしそれでもこういった言説が絶えないのは、婚活市場がそういうキャプションの広告を放っているからです。
婚活市場としては、「結婚は焦らなくていい」なんて常識がみんなに根付いては困るのです。
だってそれでは商売にならない。
だから彼らは「まだ独身なの?」といったキャプションの広告を放つことで、人々の不安を煽り、自分たちのサービスを必要とさせているわけです。

このように「嘘の常識」を作ることで、消費者の不安を煽り、需要のないところに需要を生み出すのは、実は広告手法としてはとてもよくある手法です。
ダイエット商品を売るために、『その体型では恥ずかしい』という広告をうつなどもそうですね。

嘘の常識を作ろうとするのは企業だけではありません。
時に政治レベルでもこれが行われることがあります。

例えば「貯金が大切だ」と思っている日本人はいまだに多いですが、実はこれも政治的に作られた常識です。
戦後に、日本政府は以下のように考えました。

「景気回復するために公共事業を行う必要がある」
「ではそのお金をどうやって集める」
「そうだみんなに銀行に貯金をしてもらおう」
「将来のために貯金しよう!貯金が大切!あなたの家族を守るのは貯金!っていう広告キャンペーンをとばしまくろう」

この結果、現代でもこの広告を真に受けて、自分が洗脳されているだけだとも知らずに、本気で「貯金が大事」と思っている人たちがたくさんいるわけです。

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by「インベスターZ 14巻」より

戦後、一丸となって成長してきたこの国は、世界でも類のないほど豊かになった。経済不況といわれても、国民のほとんどが中流意識を持ち、物質的にも恵まれた環境が整っている。
何も買えないのではなく、もうほとんどを所有し、あえて欲しいものが見つからない状態になっているのだ。
要するに、私たちは、ほとんどの人がご飯をちゃんと食べられていて、飢餓の恐怖などもとっくに忘れている。
実は欲しいものなんて何も、ない。
となると、どうやって購買意欲を湧かせるか?
あとは何かと何かを比較し、その劣った部分、足りないものに消費者の不安を当て込むしかなくなってしまう。
これでもか!というくらいに「足りないもの=不安に思わせるもの」をさまざまに形を変えて伝えていく方向が広告戦略となる

by超一流の二流を目指せより

こんなふうに、我々が盲目的に信仰している「常識」「道徳」「慣習」「しきたり」のなかには、誰かが誰かを利用するために捏造したものが多いものです。
だから、常識を盲目的に信じてはいけません。
いつだって「なぜそうなのか?」を自分の頭で深く考えたうえで、それを採用するか否かを選択する必要があります。

判断に迷ったときは、より大きな社会の「道徳」で考えよう!

あらゆる道徳や常識は絶対ではない。
その中には、むしろ嘘がたくさん含まれている。

このことを理解すると人は自由になれますが、同時に「迷い」が生まれます。
絶対的なものがないことを知ってしまうと、何を指針にして生きればいいかわからなくなってしまうのです。

これに対して、アルフレッドアドラーはこんな言葉を残しています。

判断に迷った時は、 より大きな集団の利益を優先することだ。
自分よりも仲間たち。
仲間たちよりも社会全体。
そうすれば判断を間違うことはないだろう。

byアルフレッド・アドラー

例えば、企業の商品に不具合があった場合、それを広く社会にオープンにし回収すれば、企業には一時的に大きなダメージがあるでしょう。
回収費用や在庫廃棄による直接的な損失に加え、信用の失墜もあり、売上、利益は大きくダウンするだろうからです。
そこで企業は公開をためらうでしょう。
しかし、企業ではなく、より大きな社会全体の利益を考えれば、少しでも早く事実をオープンにすべき、とすぐにわかるでしょう。
このように、個人、会社、社会など、それぞれの共同体における利益・不利益が異なる場合、私たちはより大きな集団の利益を優先すれば判断を間違うことはない。
アドラーはそう訴えました。
それこそが真の意味での共同体感覚であるのです。
自分一人の利益だけを考えてしまっては判断を間違ってしまうのです。

アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉

人が何かに悩むときとは、「狭い範囲の常識や道徳」にとらわれているときです。
そういったときは、「より広い範囲での常識や道徳」を想像してみましょう。
すると、今抱えている問題に、別の見え方に気付けるはずです。

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